【医療機関の労務管理】紹介会社依存・管理職離れ・両立支援の落とし穴とトラブル防止法

デスク上にある「RECRUIT」と書かれた付箋のイラスト

医療現場における人手不足は、単なる「一時的な補填」だけで解決できるフェーズを過ぎています。

どれほど採用コストをかけて人材を確保しても、現場の労務管理がおろそかになり、職員が定着しなければ、組織の体力は削られ続けるだけです。

本記事では、採用の「入り口」から、入職後の「育成」「両立支援」、そして次世代リーダーの「定着」に至るまで、医療機関が人手不足時代を生き残るための持続可能な労務戦略を7つのテーマに沿って解説します。

なお、本記事は『知らないと困る 医療現場の労働法』シリーズの第7章「採用戦略」編の内容をまとめたものです。シリーズ全体の紹介は、以下の入門記事で行っています。

このテーマについてより深く学びたい方は、筆者が解説している以下のYouTube動画『医療現場の労働法』シリーズの「退職・採用戦略」編(各15分前後)も併せてご視聴ください。

目次

1. 公正な採用選考:質問の「自由」と越えてはならない一線

採用面接を行う男性面接官と女性面接官の画像

「長続きするか知りたいから、家庭の事情や家族構成を詳しく聞いておきたい」

「前の職場を辞めた本当の理由を知りたくて、つい根掘り葉掘り聞いてしまう…」

面接の現場では、「応募者の人柄や背景を深く知りたい」という思いから、個人的な事情に踏み込んだ質問をしてしまいがちです。

しかし、悪気のない一言が法律上の不適切質問(就職差別)とみなされ、優秀な人材を遠ざける結果になりかねません。

法的な現実:採用の自由と公正な選考のルール

最高裁判例(三菱樹脂事件)では、企業には誰をどんな条件で雇うかという「採用の自由」があることが認められています。

しかし、この自由は無制限ではなく、応募者の基本的人権(憲法上の「法の下の平等」や「職業選択の自由」)を侵してまで認められるものではありません。

厚生労働省の指針(公正な採用選考の基本)では、応募者の「適性と能力」に関係のない事項による選考を明確に禁じています。

「適性と能力」に関係のない事項
  • 本人に責任のない事項:
    本籍・出生地、家族の職業・収入・学歴、家庭環境(離婚歴や介護の有無など)
  • 本来自由であるべき事項:
    宗教、支持政党、人生観・信条、尊敬する人物など

これらは「場を和ませる雑談」のつもりであっても質問自体がNGとなります。

また、「前職の退職理由」を聞くこと自体は自院での定着性を確認する正当な目的として認められますが、そこから本人の病歴や家庭の介護事情などのプライバシーを「深追い」して不採用の直接的原因にすることは、慎重な判断が求められます。

実務でのポイント:本人の事情から『業務への対応力』へ言い換える

面接官の主観や興味に任せた雑談風の質問を抑え、組織として構造化された面接基準を整備することが必要です。

①質問の言い換え(OK例への転換)
  • NG:「小さなお子さんはいるの?(家庭環境の確認)」
    ⇒ OK:「当院は夜勤や交代制シフトがありますが、規定通りの勤務対応は可能ですか?」
  • NG:「持病や通院歴はある?(プライバシー聴取)」
    ⇒ OK:「業務を遂行するにあたって、配慮してほしいことがあれば教えてください」
②評価シートによる構造化

「コミュニケーション能力」「チーム協調性」「業務適性」などの評価軸をあらかじめ言語化し、質問リストを作成しておくことで、不適切な質問へ話が逸れるのを構造的に防ぐ。

③「選ばれる場」という意識

人手不足の時代、応募者側も「この職場はプライバシーに配慮してくれるか」「心理的安全性が高いか」を面接で見極めている。

面接官の誠実で開かれた対話姿勢こそが採用力となる。

2. 紹介会社依存からの脱却:「流出コスト」を「内なる投資」へ変える戦略

男性医師が両手で「STOP!」のポーズをしている画像

「採用の手間を考えると、高額な紹介手数料も背に腹は代えられない…」

「高い手数料を払って採用したのに、わずか数ヶ月で辞めてしまった…」

「人材紹介会社を使わなければ人が集まらない」という思い込みが、医療機関の経営体力を少しずつ削り続けています。

紹介会社への過度な依存は、多額の費用負担だけでなく、早期離職の引き金になっている可能性があります。

法的な現実:高コスト・早期離職構造と労働施策総合推進法の理念

厚生労働省の調査報告書(令和8年3月31日)によると、病院が支払う採用1人あたりの紹介手数料平均額は、

  • 医師 約324万円
  • 薬剤師 約130万円
  • 看護師 約87万円

に達しています。

病院の75.2%がこの手数料を「経営上大きな負担」と回答しています。

さらに、紹介会社経由の採用者は6か月以内の早期離職率が高い傾向にあり、42.8%の病院が「紹介経由者の早期退職」を最大の困りごととして挙げています。

職種紹介会社経由紹介会社以外
看護師・准看護師14.38%6.56%
看護助手23.89%13.76%
薬剤師5.21%3.13%
6か月以内離職率の比較(病院)
出典:厚生労働省「医療等分野における雇用仲介事業に関する調査研究事業」報告書

求職者が紹介会社を利用する主な理由は「手軽さ(53.6%)」と「労働条件の交渉代行(22.5%)」です。

労働施策総合推進法第3条は、労働者の能力が公正に評価され、適切な処遇が確保されるよう配慮することを基本理念として掲げています。

外部へ流入し続ける紹介手数料を、自院職員の処遇改善や環境整備(病院の68.9%が「必要」と回答)へ振り向けることは、法の精神に合致した合理的な経営判断です。

実務でのポイント:外に流れるコストを『内なる投資』に変える

自院の魅力を数字で「見える化」し、直接応募を引き寄せる求心力を磨きます。

①流出コストの可視化

過去1年間に紹介会社へ支払った総額を算出し、院内で「見える化」する。

「毎年外部へ流出しているコスト」の大きさを経営陣・管理職が認識することが出発点になる。

②数字で示す「働きやすさ」の公開

「アットホームな職場」という曖昧な表現ではなく、「有給取得率〇%」「平均勤続年数○年」「勤務間インターバルの厳守」「離職率〇%」といった客観的な数字を自院ホームページの求人欄で明記する。

③不満解消(衛生要因)から「やりがい(動機付け要因)」へ

給与や環境の整備で不満をなくした上で(衛生要因)、1on1でのフィードバックや心理的安全性を高め、「ここで働きたい」と思わせる組織風土(動機付け要因)を醸成する。

3. ミスマッチを防ぐ面談術:「見抜く」から「適合性を確かめる」への転換

採用面接で笑顔で回答する女性の画像

「前職の不満ばかり言う人は、うちに来てもすぐ辞めるだろう…」

「『家から近い』『給与が良い』という志望動機は、長続きしなさそう…」

面接で「定着しない人を見抜こう」「不満ばかり言う人を排除しよう」と意気込むほど、一面的な決めつけによって本当に必要な優秀な人材を遠ざけてしまうリスクが高まります。

法的な現実:定着の判断と不当な決めつけのリスク

面接の本来の目的は、応募者を型に当てはめて選別することではなく、「本人の希望する働き方やキャリア」と「自院の実態・求める役割」との適合性(マッチング)を確認することにあります。

前職への不満(長時間労働、ハラスメント、休暇の取りづらさ等)を理由に退職した応募者は、一見「批判的」に見えても、裏を返せば「労働環境への意識が高く、健全な環境であれば力を発揮できる人材」である可能性があります。

退職理由そのものだけで定着性を決めつけることは、法的な合理性を欠きます。

また、「ストレス耐性が低そう」「主体性がなさそう」といった曖昧な印象評価は、面接官の先入観を正当化しやすく、育児・介護でキャリア中断がある求職者やブランクのある人を不当に排除するリスクをはらんでいます。

実務でのポイント:印象ではなく『行動』と『次への要望』を確認する

推測や印象に頼らず、過去の客観的事実と未来への意志を引き出す質問技術を取り入れます。

①「批判」を「次への要望」に変える質問

前職の不満が語られた際、評価を確定させずに「では、次の職場ではどのような環境であれば、あなたの力を発揮できそうですか?」と問いかける。

この回答に具体性(「情報共有が機能するチームで働きたい」等)があるかで自己理解の深さを測る。

②行動に基づく評価の標準化

「〇〇そうに見えた」という主観ではなく、「本人が語った過去の具体的な対応行動」に基づいて評価シートを記入するルールを全面接官で徹底する。

③入職後サポートの面接時提示

「入職後1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月の定期面談を実施する」「相談担当者を明示する」といった定着支援体制を面接の段階から約束することが、応募者に大きな安心感を与える。

4. 育児・介護職員への短時間勤務対応:「特別な配慮」から「標準装備」への進化

仕事と育児と介護の両立に悩む女性のイラスト

「うちは小規模なクリニックだから、短時間勤務の対応までは手が回らない…」

「復職にあたって役職を外したが、本人も『分かりました』と納得してくれたから問題ないはず…」

このような主張は、法律上通用しません。

短時間勤務をはじめとする育児・介護の両立支援は、経営側の「配慮」ではなく「法的な標準装備」として求められています。

法的な現実:法的義務化と不利益取扱いの原則違法(判例)

育児・介護休業法第23条第1項により、3歳未満の子を養育する職員からの申出に対し、原則「1日6時間」の短時間勤務を講じることは事業主の法的義務です(事業規模による免除なし)。

また、2025年施行の改正法(第23条の3)により、3歳〜小学校就学前の子を育てる職員に対し、

  • 時差出勤
  • テレワーク 在宅勤務等(10日以上/月)
  • 短時間勤務
  • 養育両立支援休暇(10日以上/年)
  • 保育施設設置等

のうち2つ以上を導入し、職員が選択できるようにすることも義務化されました。

さらに、制度利用を理由とした降格・不昇給・配置転換などの「不利益な取扱い」は厳禁です。

広島中央保健生協(C生協病院)事件妊娠・出産・育休等を理由とする降格は「原則違法」。本人が「渋々」同意していたとしても、真の自由意思に基づく客観的理由がない限り無効と判断された。
医療法人稲門会(いわくら病院)事件育休取得者を一律に「翌年度の職能給不昇給」とする規定は、一見中立的に見えても育休取得を抑制する効果を持つため、育介法第10条に違反し公序良俗に反し無効とされた。

実務でのポイント:制度+対話+業務改善で組織の強みに変える

制度を整えるだけでなく、周囲の納得感と本人の安心感を両立させる運用を設計します。

①復職者・介護職員との個別対話の記録化

復職時には「どう働きたいか」を丁寧に面談で聞き取り、復帰後の地位や処遇について十分な説明を尽くした上で、面談記録を書面で保管する。

②シワ寄せを「業務改善」の機会にする

短時間勤務者の発生による現場の負担を特定の職員に押し付けるのではなく、業務のタスク整理やICT導入による省人化を進め、短時間・人員減でも回る効率的な現場をつくる機会と捉える。

③管理職によるハラスメント防止の徹底

「周囲に迷惑がかかる」といった言動(マタハラ・ケアハラ)を放置することは事業主の防止措置義務違反(育介法第25条)となる。

管理職自ら「お互い様」の文化を示すことが、職場全体の心理的安全性を守る。

5. 「管理職になりたくない」への処方箋:「罰ゲーム」から「成長機会」への再定義

ブロックで「管理職」と書いたイラスト

「最近の若手は昇進意欲(上昇志向)がない…」

「管理職の打診をしても『責任が重いから』と拒否されてしまう…」

このように、次世代リーダーの育成・後継者不足に頭を悩ませている組織はとても多いのが現状です。

それはなぜか?

その根本原因は、管理職が「個人の我慢で回る罰ゲーム」になっているからです。

法的な現実:管理監督者の不該当性とプレイングマネージャーの限界

パーソル総合研究所の調査(2026年)によると、医療・福祉・教育分野で「管理職になりたい」と答えた人はわずか12.1%(全職種:15.7%)にとどまっています。

ただ、現場の管理職(師長・技師長等)に任命されても、労働基準法上の「管理監督者(第41条2号)」に当然該当するわけではありません。

管理監督者とは、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者で、その該当性は役職名ではなく、以下の有無に基づき総合的に判断されます。

  1. 重要な職務内容
  2. 重要な責任と権限
  3. 労働時間等規制になじまない勤務態様
  4. 地位にふさわしい待遇

現場業務を抱えたまま責任だけを負わされる「名ばかり管理職」状態は、時間外労働の不払いリスクを生むだけでなく、後陣の若手に「あんな大変な目には遭いたくない」という絶望感を与えます。

実務でのポイント:管理職を機能させる『4点セット』とキャリアの接続

管理職を引き受けるリスクを組織の構造で相殺し、成長機会として提示します。

①管理職を支える「4点セット」の設計
  1. 権限: シフト・業務分担・配置の決定権を与える
  2. 時間: 勤務表上でマネジメント業務専用の時間を確保する
  3. 報酬: 責任に見合う適切な役職手当を設計する
  4. 支援: トラブル発生時、経営層・人事部門が「最終判断」を引き取るルートを明文化する
②経営層の支援による孤立防止

「現場のことは現場で」と丸投げせず、「困ったら院長・経営陣が責任を持つ」というバックアップを明確にすることが、昇進への安心感につながる。

③1on1でのキャリア意識の言語化

従来どおり一律の出世欲を押し付けるのではなく、定期的な1on1で「今の業務の延長線上にどんな成長を望んでいるか」「管理職としての役割が、本人の望むキャリア(専門性の発揮・裁量の拡大など)にどうつながるか」を対話を通じて言語化する。

「管理職の罰ゲーム化」と医療機関が取り組むべき戦略について、以下の記事でも詳しく解説しています。

6. 心理的安全性の誤解:なれ合いを排し「厳しさと働きやすさ」を両立する軸

白い紙に黄色の文字で「心理的安全性」と書かれたイラスト

「ハラスメントと言われそうだから、強く言えず指導を遠慮してしまう…」

「心理的安全性を意識するあまり、現場の規律がゆるんで問題行動を放置している…」

このように、管理職の沈黙が、現場の規律を崩壊させている可能性があります。

心理的安全性とは「叱らないこと」でも「甘やかすこと」でもありません。

法的な現実:安全配慮義務・不作為の組織責任と予測可能性

本来の心理的安全性とは、「ミスや懸念を隠さず報告でき、健全な意見の衝突を恐れない高パフォーマンス組織の土台」です。

一部の職員による問題行動やルール違反を放置すると、真面目に働く職員に不公平感が広がり、かえって本音を言えない職場になります。

また、必要な指導を放置して医療事故が発生した場合、使用者の安全配慮義務違反(労働契約法第5条)や組織的責任が問われます。

昭和大学藤が丘病院事件看護師長から部下の看護師への指導が問題となった事案。事実確認を怠り威圧的・不適切に指導したことでパワハラ・不法行為と認定された。
福生病院企業団事件事務次長から医事課長への著しい暴言が問題となった事案。問題行動を知りながら上司らが放置(不作為)したことで組織責任が問われた。

「過剰指導」と「放置」という両極端のリスクを防ぎ、厳しさと働きやすさを両立させる鍵は、職員にとっての「予測可能性(一貫した基準)」にあります。

実務でのポイント:『行動』と『評価』を切り分け、構造で現場を守る

指導の技術以前に、評価・指導・叱るの「構造」を整理します。

①「予測可能性」の3軸を言語化する
  1. 「何をすると注意されるのか(ルール・安全基準)」
  2. 「何をすれば評価されるのか(期待役割)」
  3. 「判断基準が人によって一貫しているか(「あの人には甘い」がないか)」
②「行動」と「人格」の厳格な分離

「看護師失格だ」といった人格否定ではなく、「今回のこの確認手順が不足していた」のように具体的行動にのみ焦点を当てて指摘する。

③役割の整理
  • 日常の指導は「行動の改善」
  • 評価面談は「期待水準の確認」
  • 叱る行為は「ルール違反への線引き」

と目的を明確に使い分ける。

基準に沿った指導を行う管理職を、経営陣が全面的に守る体制を構築する。

以下の記事では、医療機関における心理的安全性の重要性、ハラスメント及び安全配慮義務違反リスクとの関係性についてより詳しく解説しています。

7. 内発的動機付け:「条件勝負」を脱し、やりがいを言語化する人的資本経営

「やりがい」と書かれたイラスト

「他院より給与を高く設定しているのに、なぜか定着しない…」

「福利厚生や環境を整えたのに、離職が止まらない…」

こうした悩みの背景には、お金や環境(条件)だけでは人の心(定着)をつなぎとめられないという組織心理学の原則があります。

法的な現実:二要因理論と人的資本経営の要請

心理学者ハーズバーグの「二要因理論」によると、給料・設備・福利厚生は不足すると不満になる「衛生要因(不満足要因)」に過ぎず、どれほど満たしても長期的な意欲向上につながるとは限りません。

意欲や定着を生むのは、やりがい・成長・貢献実感・承認といった「動機付け要因(満足要因)」です。

要因の種類具体例効果
①衛生要因(不満足要因)給与・職場環境・福利厚生・人間関係不足すると不満になる。満たしても意欲は上がりにくい
②動機付け要因(満足要因)仕事のやりがい・達成感・成長・承認・責任感満たされると意欲・定着につながる

近年提唱されている「人的資本経営」は、職員を「管理・浪費するコスト(資源)」ではなく「価値を生み続ける資本」として捉え直し、能力開発や適正配置に投資する経営手法です。

労働施策総合推進法の基本理念においても、労働者の自立的な能力発揮や公正な評価・適正な処遇への配慮が求められています。

特に医療現場では、「自分の業務が患者の役に立っている」という貢献実感(デシ&ライアンの自己決定理論における「関係性」)が内発的動機付けの最大の源泉となります。

実務でのポイント:貢献実感を意図的に『言語化して届ける』仕組み

内発的動機は放置しても、なかなか自然発生することはありません。

管理職が意識的に「言語化して届けるルーティン」をつくります。

①1on1を進捗確認から「貢献の言語化の場」へ
  • 「先週のあの対応で、患者さんが安心して退院できたって聞いたよ」
  • 「あなたのこの行動がチームを助けたよ」

など、日頃の貢献を言葉にして直接フィードバックする。

②患者・家族からの感謝の声を届けるルート構築

お礼の手紙やアンケートの声を個人・チームへ確実に届ける仕組みを院内インフラとして整備する。

③理念と個人の目標(キャリア)の同期

「患者第一」などの組織理念が、職員個人の「どう成長したいか」とどう重なるかを、院長が直接語り掛ける場を大切にする。

職員ひとり一人の強みを活かせる配置や研修(リスキリング)の機会を提供する。

組織の成長に必要なモチベーション管理と内発的動機付けの実践法について、以下の記事で解説しています。

まとめ:人への投資こそが、採用難時代を勝ち抜く最大の戦略である

ブロックで「まとめ」と書かれたイラスト

本記事で解説した7つのテーマを貫くメッセージは、

「法令遵守を土台としながら、職員を『管理する対象』から『共に価値を創るパートナー(資本)』として再定義する」

という視点の転換です。

不適切な面接や紹介会社への安易な依存、短時間勤務の拒否、管理職への丸投げといった従来型の運用は、短期的なつじつま合わせになるかもしれません。

しかし、中長期的には組織の信頼と採用力を確実に低減させていきます。

  • 法令が求める基準を「最低限の標準装備」として整えること
  • 外部へ流出していたコストを職員の環境・教育・評価へ再投資すること
  • 明確な基準(予測可能性)と誠実な対話(1on1)で心理的安全性を育むこと

この「構造としての労務管理」を現場に根付かせた医療機関こそが、求職者から選ばれ、職員が定着し、最終的に患者へ最善の医療を提供し続けることができるのです。

前回、第6章で取り扱った「円満な離職と『最後』のトラブル対応」については、以下の記事で解説しています。

参考:

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この記事を書いた人

吉澤 宏行のアバター 吉澤 宏行 社会保険労務士・医療機関専門コンサルタント

吉澤社労士事務所代表。社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)として、医療機関の労務と人材課題に専門的に携わっています。
医療機関で25年間事務職に従事。総務、経理、医事、健診部門など幅広く経験を積み、2024年4月に独立。地元・東京都日野市にて医療機関専門社労士として活動中。

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