皆さんの職場では、「1on1ミーティング」を取り入れていますか?
近年、人材育成や離職防止の観点から、1on1を導入している企業が増えてきているようです。
その背景には、少子高齢化の進展による人手不足があります。
多くの企業が、人手不足から生じる売り手市場や労働市場の流動化への対応に迫られています。どの企業も、社員の定着に頭を悩ませている状況です。
人材定着の課題は、医療機関においても同様です。医療機関において離職防止や人材確保を図ることは、組織運営上の最も大きな課題と言わざるを得ません。
今回は、1on1ミーティングの特徴や導入効果、注意点について触れ、医療機関が導入する際の具体的な手順等についても解説したいと思います。
1on1ミーティングとは:なぜ必要か?
近年になって、1on1ミーティングを人事施策として取り入れている企業が増えてきています。
その理由は、冒頭でも触れたとおり、人手不足の環境において、企業が人材育成や離職防止を今まで以上に取り組む必要が出てきているからです。
ここでは、1on1ミーティングとは何か、また、なぜ1on1が必要なのかについてみていきたいと思います。
1on1ミーティングとは
近年、組織マネジメントの分野でよく耳にするようになった「1on1ミーティング」。
この1on1ミーティングとは、一体どのようなものなのでしょうか。一般的には、以下のことを指します。
もう少し詳しく解説すると、1on1とは、定期的に上司と部下が1対1で面談を行い、上司が部下の意見を傾聴し、部下の思いをくみ上げ、部下に気づきを与えることでモチベーションを向上させ、部下を成長へと導く取組となります。
1on1はシリコンバレーで生まれた
1on1は、元々、企業同士の競争が激しいアメリカのシリコンバレーから生まれた人材育成の手法となります。
シリコンバレーには、世界の優秀なエンジニアがひしめき合っています。一つの企業の中にいる一人の突出したエンジニアの存在が、企業間の競争に影響を与えます。
そのため、シリコンバレーの企業では、コミュニケーションツールが発達したこの現代においても、あえてフェイス・トゥー・フェイスで上司と部下がコミュニケーションを密に取ることで、従業員一人一人の能力を最大限まで発揮させることに時間と労力を割いているのです。
人的資本経営と1on1
アメリカのシリコンバレーで生まれた1on1ですが、日本に知られるようになったのは2017年頃からと言われています。
その後、1on1は日本の企業にも徐々に浸透していきます。特に、多くの大手企業で採用されるようになった背景には、2020年に政府が発表した「人材版伊藤レポート」における人的資本経営の考え方があったと考えられます。
人的資本経営とは、以下の考え方になります。
日本の企業はいま、中長期的な企業価値向上を目指し、従業員の価値を最大限に引き上げる人的資本経営の実践に迫られています。
今後も予想される人手不足と人的資本経営の実践。日本企業でも、従業員一人一人の成長に時間と労力をかけることが、組織マネジメント上の大きな課題となっています。
なお、人的資本経営の基本事項や医療機関が実践する際のポイントについて、以下の記事で詳しく取り上げていますので是非ご参考ください。

民間企業における1on1の導入割合
それでは、実際に1on1ミーティングを取り入れている企業は、どれ位あるのでしょうか。
人材開発を手掛けるリクルートマネジメントソリューションズの調査によると、2022年1月の時点で、67.7%の企業が少なくとも部門施策として1on1を導入しているようです。
また、企業規模が大きくなるにつれ、1on1の導入割合が上昇していることが下表からもわかります。100~699名の規模の企業では57.7%の導入割合に留まる一方、3,000名以上では75.7%の企業が導入しています。
全体 | 100~699名 | 700~2,999名 | 3,000名以上 | |
人事施策として全社で導入 | 35.9% | 21.8% | 37.5% | 48.4% |
人事施策として一部組織で導入 | 20.6% | 23.1% | 22.1% | 16.7% |
部門施策として一部組織で導入 | 11.2% | 12.8% | 10.3% | 10.6% |
公式施策として導入なし(現場で任意) | 16.2% | 20.2% | 14.4% | 14.1% |
全く実施なし | 16.0% | 22.1% | 15.7% | 10.3% |
リクルートマネジメントソリューションズ 人材育成・組織開発サービスサイトより引用し、筆者まとめ
【調査レポート】1on1ミーティングに関する実態調査
Q:1on1を施策として導入していますか。(単一回答)
調査対象:首都圏・大阪圏・名古屋圏の企業にて人事系業務を担当する正社員、
有効回答数936名、2022年1月実施、インターネット調査
若い世代に適したマネジメント手法としての1on1
前項の調査結果からも、1on1は有効な人事マネジメント手法として多くの企業で取り入れられていることがわかりました。
しかし、日本の企業でも、どうしてそこまでして従業員一人一人に時間と労力をかけないといけないのでしょうか。
その理由を示すひとつの側面として、現代の若い世代に共通した以下の3点の傾向が考えられます。
- 組織内での昇進より自身の成長やキャリアアップを望んでいる
- 業務上のミスを恐れ、強く指導されるのが苦手
- 上司や先輩に聞きづらいという思いを抱えている
上記のとおり、現代の若い世代に共通した3つの傾向を考えてみました。
➋と➌の傾向は、筆者のような就職氷河期世代でも、二十数年前の入社当時に抱えていた悩みと同様に思えます。
➌の傾向は、入社当時はまだ、「仕事は見て覚えるもの」という感覚が一般的に残っていましたので、上司に仕事の進め方について細かく聞くことには、やはり抵抗があったのを記憶しています。
➋の傾向は、今の若い世代よりは強く指導されることに慣れていたと思いますが、今も昔も叱られることに抵抗を感じない人はいないでしょう。
当時と今で大きく異なるのは、➊の傾向になります。
今いる企業や組織が、自身の成長やキャリアアップが望めない場所だと判断した場合、現代の若い世代は、以前の若い世代ほど転職に対する抵抗の意識は確実に薄れていると言えます。
そのため、企業は自社に若い世代を定着させるために、時間と労力をかけてでも成長への動機付けを行う必要があります。
人手不足という現在の雇用環境や、上記にみる若い世代の傾向を考えると、1on1の導入は、若年層に対するキャリア形成の支援や業務上の不安を解消し得る、現代の若い世代のマネジメントに適した仕組みと言えるかも知れません。
1on1ミーティングの特徴とは
前項まで、一般企業が1on1ミーティングを導入する背景や理由について確認してきました。
しかし、一般企業に限らず医療機関においても、人材育成や組織の価値向上は運営上の大きな課題と言えます。
特に医療機関は、労働集約型の職場と言われています。医療機関にとって人材定着・離職防止は、事業を運営していくうえで最も大きな課題と言っても言い過ぎではないでしょう。
そうしたなかで、目標管理制度や評価制度などの人事施策をすでに導入し、スタッフの士気を高め、人材確保を図る医療機関も少なくないと思います。
ここでは、目標管理制度における面談と1on1ミーティングを比較しながら、1on1の特徴について解説したいと思います。
1on1ミーティングと目標管理の定期面談との違い
1on1ミーティングは、これまで一般的に行われている目標管理制度の定期面談と、どのような違いがあるのでしょうか。
さっそく、1on1ミーティングと目標管理制度における定期面談の一般的な特徴を比較してみたいと思います。
下表のとおり、➊目的、➋会話の方向性、➌面談の内容、❹面談の頻度、の4項目を比較してまとめました。
1on1ミーティング | 目標管理制度の定期面談 | |
➊ | 目的部下への動機付けで成長支援 | 組織目標達成のための個人目標管理で部下の人材育成 |
➋会話の方向性 | 部下から上司へ | 上司から部下へ |
➌面談の内容 | 業務上の悩み、キャリア形成、プライベートのことなど | 業務の進捗、目標達成度の評価、来期の目標設定 |
❹面談の頻度 | 週1~月1回 | 年1~2回 |
次項では、それぞれの特徴を個別に確認していきたいと思います。
目標管理制度における定期面談の特徴
はじめに、一般的に馴染みのある目標管理制度における定期面談の特徴について確認したいと思います。
目標管理の面談:➊目的
目標管理制度は、組織目標に紐づいた個人目標を管理するための人事施策となります。あくまでも組織全体の目標達成を最終目標として、従業員個人の目標を管理する取組と言えます。
例えば年度ごとに組織全体の目標を定める場合、その次に部門の目標を定め、またその次に課や係の目標を定めます。
課や係の年度目標が決まったら、そこでようやく自部署の目標に沿った従業員個人の目標を定めることができます。
そこで定めた個人目標を、定期面談により進捗管理を行い、人材育成と組織目標の達成に活かすのが目標管理制度の目的となります。
目標管理の面談:➋会話の方向性
目標管理制度では、上司が面談を主導します。つまり、会話の方向性は、上司から部下に向かいます。
従業員個人の目標の背後には自部署の目標があり、またその背後には組織全体の目標があります。従業員個人の人材育成とともに組織目標達成が制度の目的になりますので、個人目標の達成度合いなど上司が質問し、部下から回答を得る流れで評価を行っていきます。
目標管理の面談:➌面談の内容
目標管理制度の面談の内容には、業務の進捗、目標達成度の評価、来期の目標設定などが挙げられます。
組織目標達成が制度の目的でもあるため、話の内容はあくまでも業務に関することに限られます。上司から部下へ個人目標に対する業務の進捗等の質問を投げかけ、部下の回答から助言や評価を行い、今後の方針や課題設定、来期の目標設定の話につなげていきます。
目標管理の面談:❹面談の頻度
目標管理制度における面談は、年に1~2回の実施が一般的となります。
年度単位で目標管理を行うことが多いため、前期に1回、後期に1回の計2回実施、もしくは年度末に1回のみ実施するという組織が多いようです。
なお、目標管理制度の運用をしっかり行っている組織では、前期と後期の期首と期末にそれぞれ面談を行うことで、個人目標に対するPDCAサイクルを回して確実に進捗管理を行っている例もあります。
1on1ミーティングの特徴
次に、近年採用されている1on1ミーティングの特徴について確認したいと思います。
1on1ミーティング:➊目的
目標管理制度では、組織全体の目標達成が最終的な目的でした。
それに対し、1on1の目的は、従業員個人を成長に導くための支援になります。
つまり、1on1は部下の業務上の悩みや個人的な悩みに対して、上司と部下が1対1で面談を行い、上司が部下に動機付けを行うことで部下個人の成長を支援することを目的とします。
1on1ミーティング:➋会話の方向性
目標管理制度では上司が面談を主導しますが、1on1では面談の主役が部下になります。つまり、会話の方向性は、部下から上司に向かいます。
上司は聞き役に回り、部下から仕事上の悩みや個人的な質問を引き出します。部下からの問いかけに対して、上司も共感しつつ一緒に悩みながら質問で返したりすることで部下の考えを引き出します。
1on1ミーティング:➌面談の内容
目標管理制度では、業務の進捗や目標達成度の評価などあくまでも業務に関する話をすることが一般的です。
一方、1on1では、部下の業務上の悩みやキャリア形成に対する志向、その他プライベートに至るまで幅広い内容について、深く対話を行います。
1対1で行われる幅の広い、深い対話によってコミュニケーションが活性化され、上司と部下の信頼関係が構築されます。信頼関係は部下に働きがいを与え、モチベーション向上のきっかけとなり人材定着につながります。
1on1ミーティング:❹面談の頻度
目標管理制度では年に1~2回の面談実施が一般的ですが、1on1では週1~月1回程度の実施が一般的となります。
目標管理の面談は、定期的な組織目標に紐づく個人目標の進捗管理の一環として行いますので、回数も限定的になります。
それに対し、1on1は小まめな対話の機会をつくることで従業員の成長を促すのと同時に、オープンで働きやすい環境を整えることで、若手労働者の離職防止や人材定着を図る目的がその先にあります。
そのため、1on1の方が目標管理の面談よりも実施の頻度が高くなると言えます。
1on1導入のメリット・注意点とは
前項では、1on1の特徴について、目標管理制度の定期面談の特徴と比較して確認してきました。
ここでは、組織が1on1を導入する際のメリットと注意点について考えていきたいと思います。
1on1導入の6つのメリット
1on1を導入し継続させるには、上司にも部下にも相当程度の時間と労力を要します。その時間と労力に見合った効果が、果たして得られるのかどうか。
はじめに、1on1導入のメリットとして、以下の6点に絞って紹介したいと思います。
- 定期的な対話の機会を持つことで上司と部下の間に信頼関係ができる。
- 上司に相談しやすい雰囲気ができ、業務上の不安が解消され、働きやすい職場環境になる。
- 上司からキャリア形成上の支援が得られ、従業員個人のモチベーションが上がり、人材定着につながる。
- 部下との対話をとおして離職の可能性をいち早く察知できる。
- 組織内でのコミュニケーションが活性化し、組織の強化が図れる。
- 聞き役になる上司の、支援者としての能力が上がる。
上記のとおり、1on1での時間と労力によって、部下に対するもの、また上司に対するもの、そして組織全体に対するものなど、組織に多くの効果やメリットを期待することができます。
人手不足に悩む組織にとっては、若手人材の定着は大きな課題です。特に、優秀な人材から転職していく傾向があるため、小まめな質の高い1on1実施は、優秀な若手人材の離職防止を図るうえで重要な施策と言えるでしょう。
1on1によって、上司と部下がコミュニケーションを密に行うことで、若手人材にとって働きやすい職場風土が作れます。従業員個人のモチベーションが上がり、離職防止や組織活性化が図れます。
また、今どの職場でも問題となっているハラスメントを未然に防ぐという副次的な効果も期待できます。
さらに、部下が主役の1on1で、上司側にも支援スキルやマネジメントスキルの向上が期待できるというメリットもあります。
1on1導入の3つの注意点
前項では、1on1導入のメリットについて考えてきました。
それでは、1on1を導入する際に、どのような注意点が考えられるのでしょうか。
1on1導入の注意点として、以下の3点を挙げたいと思います。
- 上司も部下も相当の時間が取られる。(特に上司側)
- かけた時間や労力に対する効果の判断が難しい。
- マンネリ化で対話の質が低下し、システムが形骸化する可能性がある。
1on1を導入すると、上司側は面談自体の時間もさることながら、部下全員とのスケジュール調整に時間を取られることになるでしょう。
上司側は、現場のマネジメントもしながら部下の育成も考え、自分自身に課されたタスクもしっかりこなして、管理職としての実績を上げなければなりません。
1on1導入は、上司側に、1on1における対話の技術習得や自身のメンタル維持、タイムマネジメントの負担がかかる仕組みになります。
さらに、1on1導入の際には、効果測定の手法も同時に検討することが重要です。なぜなら、1on1の効果を測定する何らかの指標がない限り、1on1ミーティングを実施すること自体が目的化されてしまい、取り組み自体が形骸化する可能性があるからです。
医療機関における1on1導入までの考え方と手順

それでは、医療機関が1on1を導入する場合、どのようなことを考えればいいのでしょうか。
ここでは、医療機関における1on1の具体的な導入手順として、以下の8ステップを紹介したいと思います。
- 1on1導入を院内で議論し、決定
- 1on1導入について各所属長に説明し、全職員に周知
- 管理者・所属長・ミドル層以下全職員を対象とした1on1制度の全体研修
- 所属長以上向けの1on1研修
- ミドル層以下向けの1on1研修
- 1on1制度運用開始
- 順次階層を下げて実施
- 実施状況を各所属長から管理者層へフィードバック
医療機関における1on1導入8ステップとは
それでは、1on1導入8ステップについて、具体的にみていきたいと思います。
管理者会議で1on1制度の導入について議論し、導入を決定します。
1on1制度導入の目的が、「人材の育成と定着」にあることを管理者全員の共通認識とします。
1on1制度の導入の目的が「人材の育成と定着」にあることを、各所属長に説明して理解を得ます。
それと併せて、1on1制度を形骸化させないために、院内の公式な制度として定着させるための仕組みづくりを協議します。
運用方法や制度定着の仕組みが決まったら、1on1制度の実施について全職員に周知します。
外部講師を招聘して、全職員を対象に1on1制度の全体研修を行います。
ここでは、一般的な1on1ミーティングの目的、実施上の効果や注意点を学びます。
また、1on1で求められる上司側の傾聴スキルや部下の話を受け入れるための心のあり方について学ぶとともに、部下側に求められる1on1への主体的な参加意識や自己開示の必要性についても学びます。
ポイントは、上司側にある課題と部下側にある課題を共に学ぶことで、1on1での対話の質を高め、1on1によるマネジメントの効果を高めることにあります。
外部講師を招聘して、所属長以上向けの1on1研修を行います。
ここでは、全体研修で取り入れた上司側に必要な傾聴スキルについて、ロールプレイングをとおして実践的に学びます。
1on1の効果は、上司側の傾聴スキルの程度によって決まると言ってもいいほど重要なステップになります。
傾聴スキルの重要性については、以下の記事で詳しく解説していますので是非ご参考ください。

なお、所属長以上向け研修の受講者から、次のステップで行うミドル層以下向け研修の講師の選任も行います。
所属長以上向け研修受講者から選任された講師により、ミドル層以下向けに1on1研修を実施します。
ここでは、全体研修で学んだ1on1への主体的参加意識や自己開示の必要性について、ロールプレイングをとおして実践的に学び、その理解を深めます。
1on1の主役は部下側になりますので、上司の傾聴スキルとともに、部下の主体性も1on1の質を高める不可欠な要素になります。
各層への研修が終了したら、いよいよ1on1制度の運用を開始します。
どこから始めるのかという問題ですが、「院長と副院長」など、管理者層から順次始めていくというのもひとつの方法かも知れません。
トップから順次行えば、運用上の問題点が見つかった際に軌道修正しやすいこともありますが、何より所属長に運用を全て任せてしまうということを防ぐことにもなり、制度として定着しやすいというメリットがあります。
しかし、管理者層は診療業務に加え院内の管理業務もありますので、一般職より回数を減らして行い、対話の内容もお互いの近況報告程度でいいと思います。
ステップ6のとおり、「院長と副院長」など管理者層から運用を開始した場合、次に、「看護部長と看護師長」、「検査技師長と検査主任」など、順次階層を下げて実施していきます。
トップ層から始めた運用で何か問題点が見つかった場合は、随時下の階層へフィードバックを行うことで、1on1制度の定着と質を維持していきます。
順次階層を下げ、一般層まで1on1の実施が終了したら、これまでの実施状況や問題点を管理者層へフィードバックします。
1on1導入で最も負担が増大するのは、各所属長になります。管理者層は、各所属長から随時フィードバックを受けながら、スタッフ育成の効果や制度自体が破綻していないか検証することが重要です。
1on1制度導入の目的が「人材の育成と定着」にあることを念頭に、制度の運用を所属長に一任せず、管理者層自らが1on1に関与し続けることが、制度を定着させるためのポイントになります。
コミュニケーション活性化で地域に安心を
これまで、医療機関における1on1導入の8ステップについて解説してきました。
一般企業も医療機関も、組織強化や人材育成など組織運営の全てにおいて、人と人とのコミュニケーションが何より重要であることは、皆さんも日々感じていることだと思います。
特に医療機関は、人材あっての職場です。人材確保が安定しないと、診療体制縮小を余儀なくされるなど組織運営に揺らぎが生じ、地域医療に影響を及ぼしかねません。
裏を返すと、医療機関が働きやすい職場づくりを進めることは、自院の運営に安定をもたらし、患者の安心、地域の安心につながると言えるでしょう。
まとめ
今回は、1on1ミーティングの特徴や導入効果、注意点、医療機関が導入する際の具体的な手順等について解説しました。
これまでみてきたとおり、1on1は、組織運営の基本となるコミュニケーション活性化のための施策と言えます。
医療機関においても、1on1を取り入れることで、上下間の信頼関係を構築し、職場の風通しを良くして、若い世代にも長く働いてもらえる職場環境をつくることができることが確認できたのではないでしょうか。
今回の記事が、少しでも何かのお役に立てれば幸いです。

